ユール書殿

――黒き血鉄の匂い、隣佇む美しき白――

約束の還る海

受け入れること、赦すこと。それはとても難しい。

完結済|180,739字

 海で拾われ考古学者の息子として育った青年レナートは、発掘調査の帰りに海を漂流する美貌の若者を救出する。身分を明かしたがらない若者に、レナートは雷神の名を充てがった。
 自分は何者か。それを定義するものとは。かれらが発見する自己の姿と、受容のための物語。 探求の先に、必ずしも理想の己が発見できるわけではない。果たして、それは誰の人生か。

登場人物

※当作品には地震・津波の描写が含まれます。

◇イメージソング「Il mare blu」(GALLERYにも展示中)

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